天下上等
- Tomoya Abe
- 7月16日
- 読了時間: 1分

生まれた場所で勝敗が決まるなら、こんな世界、ひっくり返す価値もない。
学歴、家柄、才能、運。持ってる奴らが上から説く「努力」なんて、聞き飽きた。
こっちはずっと傷を履歴書にして、敗北を踏み台にして、今日まで上がってきた。
泥水を飲んだ回数なら、たぶん誰にも負けない。
だからもう、綺麗な勝ち方には興味がない。
笑われてもいい。
嫌われてもいい。
「お前には無理だ」と言った口を、結果だけで黙らせたい。
底辺上等。
逆風上等。
向かい風が強いほど、旗は派手に鳴る。
失うものがないんじゃない。
失ったものが多すぎて、取り返したいものが山ほどあるだけだ。
一段ずつなんて悠長なことは言ってられない。
階段がなければ壁を登る。
壁が高ければ、爪を立てる。
品行方正な成功者になるつもりはない。
過去ごと連れて、傷ごと光らせて、「あいつだけは例外だった」と言わせるところまで行く。
天が高いなら、なおさら都合がいい。
見下ろしてきたその景色を、今度はこっちが奪いに行く。
天下上等。
落ちる覚悟なら、とうの昔にできている。
あとはただ、成り上がるだけだ。



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