めたもるふぉーぜ
- Tomoya Abe
- 7月16日
- 読了時間: 2分

きれいな形をしていた 気がする 丸くて やわらかくて 誰の手にも収まりそうな 無害なかたち けれど 落ちているあいだに 上下がわからなくなった 空に引かれているのか 地面に呼ばれているのか それとも 自分から飛び込んだのか 答えを探すたび 身体は一回転して 昨日までの輪郭を 少しずつ置き去りにする 伸びて ねじれて ちぎれかけて それでも私は まだ私につながっている 変わりたいと願ったのは たしかに自分だった でも こんなふうに変わるなんて 聞いていない 余計なものを捨てれば 軽くなれると思っていたのに 剥がれ落ちた欠片たちは 宝石みたいに光りながら 私より先に 暗闇へ消えていった 成長には 完成形があると思っていた 醜い幼虫が 美しい蝶になるような 説明しやすい結末が けれど現実の変身は 羽なんて生やしてくれない ただ 元に戻れない速度で 形を崩していくだけ 顔もない 名前もない 正解の輪郭もない それでも光は 歪んだ表面を選んで反射する きれいだった頃よりも 不規則に 鋭く 何色にもなって 落ちながら 回りながら 私は何度も生まれ直す 生まれ直すたび 少しずつ 何者でもなくなっていく 地面はまだ見えない だから私は 完成しないまま 変わり続けていられる これは進化か 崩壊か たぶん 着地した形を見た誰かが あとから勝手に決めること いまの私はただ 暗い空の途中で 私だったものを撒き散らしながら 次の輪郭へ 落ちている。



コメント